麻雀業界がこれからも盛り上がらない理由

わたしは麻雀は好きですが、麻雀業界は大っ嫌いです。
 

日本の三大テーブルゲームと言えば、囲碁、将棋、麻雀です。

 
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レジャー白書調査によるこちらの数字を見れば、将棋と麻雀の競技人口は同じ程度です。囲碁の競技人口はこの半分くらいのようですが、世界的にみれば競技人口は世界一です。
 
囲碁は公益財団法人として、将棋は公益社団法人として国に認められた団体なので、利益に特化した活動を大々的に行えないという側面はありますが、そのかわりしっかりした基盤を手に入れたと言えます。このふたつは古来よりお上の庇護を受けて発展してきたゲームなので、当然の成り行きとも言えますし、抜け目がないというか長期的な視野を持った運営をされているのだと思わせます。そのゲーム性が反映されているのでしょうか。追記:三浦九段の件で将棋界の視野の狭さが証明されてしまい、とても残念です。
 
一方で麻雀団体は、その知名度や競技人口と比べて社会的存在としての認知度に欠けているように思います。「麻雀と言えばギャンブル」みたいな公序良俗に反する印象を持っている人はかなり多いと思います。そういった意味で敬遠している人もいるでしょう。また、ルールや点数計算が難しくとっつきづらいという意見も見られます。
 
しかしわたしは、麻雀が流行らない原因は、それらとは別のところにあると思っています。
結論から言えば、ロビイングの拙さが麻雀業界の認知度に大きく影響していると考えます。
 

麻雀業界は一枚岩ではない

囲碁のプロ団体と言えば日本棋院。将棋のプロ団体と言えば日本将棋連盟。どちらもプロ団体はひとつしかありません。では、麻雀はどうでしょうか。どの麻雀プロ団体が思い浮かぶでしょうか。
そもそも麻雀団体はいったいいくつあるのでしょうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
こんなにもあるんですね。プロ団体が乱立しているというのは、まさに麻雀業界が一枚岩ではないことをあらわしています。団体によってルールや理念などの細かい違いはありますが、素人にこの違いを分かれと言っても無理な話です。ちなみに、アマチュアにも同じくらいの数の団体があります。もうなにがなんだかわかりません。また、団体内でも地方と都会や知名度のあるなしで扱いに露骨な違いがあるようです。極端な例を挙げると、大会予選では地方同士で潰し合いをさせたり、対局においては、誰かを落とすため、引き上げるためにグルになったりと、プロの麻雀とは何を見せるものなのかという根本的な疑問を抱いてしまうようなことも普通にあることのようですね。これは妄想ではなく、あるプロ雀士から聞いた事実です。
 

団体の数だけ利害関係がある

 
もちろん、団体の数だけ利権があり、利害関係があります。このような団体の乱立はボクシング業界を彷彿とさせます。しかしボクシングよりもプロ団体が多い業界というのもなかなかありません。どちらかというと芸能界ややくざ業界を連想させます。じっさいに干されたあるプロ雀士の話を聞いたことがありますが、ほんとうにくだらない理由でした。SMAP騒動顔負けの陰湿さです。
 
麻雀をもっと世間に広めるためには、まず各団体がひとつになって、同じ目標のもとに盛り上げていく必要があると思うのですが、麻雀業界はこの横のつながりがとても弱いんです。おそらくプロ団体が乱立することになった経緯とも大いに関係しているのでしょう。とにかく仲が悪い。協力して麻雀業界を盛り上げよう、という気概は全く感じられません。
 
どうしてこうなっているのか、わたしには想像もできません。麻雀に対してうっすら抱く「怖さ」のようなものは、麻雀業界の利害関係の闇に感じる「怖さ」なのかもしれません。
 

プロの麻雀に求めるもの

 
個人的には、各団体で何人か代表を立てて、団体存続をかけたガチの勝負でもやってくれれば面白いことになりそうだと思います。ガチの勝負をするためには、四人が四人、絶対に勝たなければならない状況を作らなければなりません。しかし麻雀は、トップを獲ったものが強いとは言い切れないところがあります。トップとラスが多い麻雀も、二着を取り続ける麻雀も、ラスだけは引かない手堅い麻雀も、いろんな戦い方が評価されていいと思います。勝負事における一番の評価軸はアベレージです。野球やサッカーはもちろん、囲碁や将棋でも大きな評価軸となっています。しかし麻雀はちょっと違っています。何回か半チャンをやって、勝ったとか負けたとか、大きい手を上がったとか、そういう浅い部分で盛り上がっているように見せている節があります。上記のようなスポーツや頭脳戦ではなく、パチンコ番組を見ているような感覚になります。例えば、野球やサッカーのように、今以上にいろいろな選択と結果を数値化してひとつの評価基準にすると、また違った麻雀の面白さが伝えられるのではないでしょうか。メディアも増え露出も多くなってきた昨今、麻雀業界にとっても躍進のチャンスは大いにあると思っています。ここらでもう一度、麻雀の楽しさの見せ方について考えてもらいたいものです。
 
追記:
囲碁と将棋のプロ団体はひとつじゃないよ、という旨のコメントをはてなブックマークからいただきました。本文はそのままにしておきますが、間違いを認め、お詫びします。ご指摘ありがとうございました。また、両プロ団体は、ざっくり関西と関東とで運営されているわけですが、けっして相容れぬ関係ではないと認識しております。そこは麻雀業界とは違うぶぶんであり、私が問題に思っているのはまさにそこなのだということも改めて付記させていただきます。その他お気付きの点ございましたら、ご指摘ください。