海沿いに車を停めて待機する。
停めようとしているところの隣のスペースにはマックの包装が散乱していた。
んだよ、こんくらい片して帰れよ、と思いながら周りを見る。いつもこの時間に掃除をしているじいちゃん連中がいるからだ。こないだなんか人糞を前にたじろいでいたが、きっちり片していた。今日は一人もいなかった。運転席からゴミを見ながら、俺が捨ててやればいいよね、って思うんだけどどうにも体が動かない。やりたくない。悶々としながらも体は動かない。車内のゴミ箱がわりにするビニール袋はたんまりあって、それに入れれば終わるのに、体が動かない。
こんな場合に、欧米なんかだと、こういうのはゴミ屋の仕事で、彼らの仕事を奪うことになるからやらない的な意見を散見するが、なんだかんだ理屈をこねたところで、目の前のゴミを拾いたくないという気持ちの前ではどんな理屈も欺瞞でしかない。
だったら無視してればいいのに、やっぱり気になる。そしてやりたくないから見てるしかできない。この気持ちはなんなんだろう。

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