ゴールデンウィーク

初めてかもしれない。カレンダー休み。土日祝休み。大型連休。そんなものが有る職場で働いた記憶がない。もしくは無職だった。無職の期間は休みではなく、無職の期間でしかない。

おそらく10年近く、悩んでは買わずにいたシヴィライゼーションをとうとう買ってしまった。良くも悪くも悩んでいた通りの内容だった。買って良かったと思うし、何年後にはその気持ちがもう少し強くなっているだろう。もっと若いうちに始めるべきだったと思うゲームだったからだ。

映画もいくつか観た。

邦画のサスペンスをスクロールしていたら、二流小説家が目に留まった。すぐに思い出した。閉店するブックオフの一冊10円の投げ売りセールで買った数十冊の中にあった。ほとんどは数ページ読んでやめたか読もうとすら思わなかったが、これは読み切った数少ない小説で、その中でも意地になって読み切ったわけではない数少ない小説のひとつだったからだ。

あー上川隆也なんだ、と思いながら見始める。しかし、内容がまったく思い出せない。読んだという記憶以外には何もなかった。中々の虚しさだった。弁護士が出てきたところで、突然、頭の中に映像が浮かんだ。この小説のラストシーン、いや、妄想で描いたラストシーンの情景だった。その映像には、小説の内容もぶつ切りではあるが紐付いていた。こちらは映像とも言語とも言えない何かだった。映画が進むごとにその曖昧さを実感するが、悪い感覚ではない。

この間、ゆる言語学ラジオで聴いたのだが、ビジュアルシンカーなる概念があるらしい。人は言語で考えると思いがちだが、ビジュアルで思考する人もいるのだと。正直、ピンときたようなこないような話だった。誰もが両方の思考方を持ち、両方を使っている。その割合や配合や混ざり具合の話なのだろうと解釈した。俺が小説のラストシーンを勝手に創り上げた映像で記憶していたように、描写する言葉で記憶している人もいる。しかし他の部分も記憶は逆かもしれない。

一時期、将棋にハマり、頭の中に将棋盤をインストールしようと四苦八苦した。右上が1一で、と頭の中で何度も暗唱し、言葉で覚えようとした。それ以外の覚え方は思いつかなかった。今でも数手動かすと、その周辺以外の駒が消えてしまう。

二流小説家を観進めていくと、俺が思い出した映像はラストではなかったことがわかった。中々に虚しかったが、映画の映像は俺の妄想とあまり違ってはいなかった。記憶はほんとアテになるんだかならんのだかわからん。

 

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