あさ

朝が苦手と言う人がいるが、それがどういうことなのかいまだによくわからない。

起こそうとするとものすごい力で抵抗する的な人はいたが、そういう人はたいていその時のことは覚えていないという。覚えていないものに得意も苦手もない。

起きたくなくてずっと布団から出られないという人がいる。自分もそういう時があったが、それはただのわがままであって、得意も苦手もない。

起きた時のまったくなんにもやる気が起きないどころかなにをするのも億劫になる感覚だという感覚のことを言っているのなら、それはわかる。わかるが表現的にはしっくりこない。

一つ言えるのは、遅刻に対する強迫観念にも似た意識を刷り込まれてしまうと、寝起きはすっかり良くなる。起きる瞬間の一番最初の意識が遅刻に対する恐れになるからだ。一度その感覚を獲得してしまうと、長く悩まされることになる。何事も環境の変化や時間の経過が解決してくれる、という説があるが、そう簡単なものではない。

 

猫に寝起きドッキリスーパーモフモフタイムを仕掛けたら、爆発したみたいに暴れて、右手の薬指の腹を引っ掻かれた。激痛に手を引っ込め、めんどくさい場所を怪我してしまったと思いながら傷を見ると、縦に1センチほどパックリと裂けた傷口の端に血がぷっくりとふくらんでいるだけで、ほとんど血が出ていなかった。鋭い傷からはあまり血が流れない。傷はけっこう深かったが、その日のうちに塞がった。