ファミコン

ゲーム音楽について、常々、ノスタルジーという一言では表せない何かを感じていた。
ただ過去を懐かしがっているだけなんだろうか、という思いを抱いていた。
もしかしたら、まさにその通りで、それを認めたくないだけなのかもしれない。

例えば、マッハライダーっていうファミコンソフトがあったんだけど、ステージセレクトでむずい方と簡単な方どちらかを選んでゲームがスタートするんだけど、その時の音が今でも鮮明に思い出せるわけよ。たったの19音が強く心に残っているわけ。で、マッハライダーにどういう思い出があるのかって、特に何もないわけよ。近所の年上の兄ちゃんの家に押しかけて、なんもやることがないしファミコンでもしようかってなって、そのままささってたソフトをそのまま起動して遊んだだけなのよね。ゲームも別に面白くもなんともなくって、こんなのクリアできるわけねーだろとしか思ってなかったし、すぐにやめて、また、あーなんもやることねーを繰り返すわけ。でもその時のその19音だけは当時からものすごく印象に残ってたっていう。
思えばファミコンってほとんどがそういう無為な時間だったよね。もちろんハマったソフトもたくさんあるし、みんなで盛り上がったソフトもいっぱいあるけど、それでもやっぱり、まったく意味の無い時間、面白いともまったく思ってないけど暇だしやることないから無理ゲーだけどなんとなくやってるっていう思い出の方が断然多かったわけよ。そういうゲームでも、音楽だけは記憶に残ったし、すごい好きだったし、なんなら口ずさんでた。記憶のくずかごには、そういう子供の頃に過ごした膨大なる無為がいっぱいに詰まってて、8bitで作られた音楽を聴くと、記憶のくずかごがひっくり返したみたいになる。アルバムをめくりながら「こんなこともあったなー」なんてしみじみするのと似ているけど、そこまで綺麗でもなければメモリアルでもない。ただボケーっとしたり、ただ砂をほじくってみたり、意味もなく走ったり跳んだり、農業用の水路に笹の葉を浮かべて追いかけたり、太陽がとても眩しかったり、ションベン漏らしたり、覚えていても仕方がないと脳が勝手に判断して消去した下らない思い出が蘇るような感じ。でもそれって懐古以外の何物でもないかw

押入れひっくり返したら出てきたこのCDを聴いたら、そんなことを思った。ほんとよく出来てるわこれ。懐かしいんだけど新しい。っていうか2007年のだから普通に古いんだけど、なんかもうよくわかんない。