人の好みの話

世の中にはいろんな人がいる。十人十色なんて言うけれど、お前マジかよ?って思うような好みや美意識を持っている人は私が思うよりもっとたくさんいるわけで、場合によっては私もそう思われているわけで。
2002年W杯の時のロナウドの髪型を覚えているだろうか。「大五郎カット」と呼ばれたあのヤバい髪型だ。多分あれを見た日本人は全員「うわぁ、、、」って思っただろう。
つい最近、友人の会社の先輩もその時のロナウドとまったく同じ髪型にしているという話を聞いた。今さらそんなん誰もが普通にヤベーやつじゃんて思う。しかしそこは人の好みだからまあ面と向かって笑うこともできないわけで、なんていうかズルい。面白いのが、どういうわけかその先輩の前では髪型の話はタブーになっていることだ。先輩は優しくて冗談をよく言う人らしいが、髪型の話になると瞬間空気がピリつくようだ。新入りの友人がその髪型を見て「なんでその髪型なんすか」と聞いてしまうのはある意味必然なわけだけど、「なんか文句あるの?」と質問に質問で返されてしまいとても気まずい空気が漂ったと言う。それくらい嘲笑の目で見られていることを自覚してるんならその髪型やめろよ、と言いたくもなる。好きでやってるんなら「好きだからやってる」くらい言えそうなもんだけど、好きだからってやっていいことと悪いことがあるわけで、もう意地になってるんじゃないかとすら思う。
ちなみにロナウドがこの髪型にした理由は好みだからではないようだ。以下の記事でその理由を語っている。

 

15年を経て明かされる真実? ロナウド氏、02年W杯”大五郎カット”の理由は… | フットボールチャンネル

 日本と韓国で開催された2002年大会に出場したロナウド氏は、それまでのスキンヘッドから、突如として奇妙な髪型に変えたことが大きな話題となった。前髪の一部だけを残して他の部分を剃った髪型は、日本では「大五郎カット」などと呼ばれた。
 ブラジルの漫画の登場人物を真似た髪型であることなども伝えられていたが、それ以外の理由もあったようだ。「あの時のW杯では鼠径部に痛みを抱えていて、60%の力でしかプレーできないという恐れがあった。その私の負傷のことばかりが話題になっていた」
 髪型に注目を集めることで負傷から話題をそらすという試みは、期待通りの効果をもたらしたとロナウド氏は振り返っている。「そのためにあの髪型で乗り込んだんだ。それからはもう誰も負傷を話題にしなかったよ」

彼は話題そらしのためにあの髪型をしたのだそうだ。万全でない状態で最高の舞台に立たなければいけないんだから、相当ナイーブになっていたのだろう。ましてやサッカーが国技のブラジルのエースストライカーである。活躍できなければリンチにあってもおかしくない。そんな彼が怪我の話題をそらすために考え出した苦肉の策が、あの大五郎カットだったのだ。大五郎カットにはそれくらいのインパクトがあったのである。結果、ロナウドは得点王となりW杯を優勝に導いたのだから流石の一言なのだが、じゃあそんなロナウドの髪型を真似するその真の意味ってなに?ってなる。ロナウド自身好きでもなんでもなかった髪型を真似してるその心は?ってなる。で、その話題が出たら露骨に機嫌悪くなるくせになんで2017年にもなっていまだにそのダセー髪型貫いてんの?ってなる。話を聞いただけの私ですらそう思うのだから、彼に会う人はみんなそう思ってる。しかし怖いから聞けない。
人のセックスを笑うな、なんて映画が作られるくらいだし、そのへんはあまり深入りしちゃいけない領域なんだろうけど、だったら嘘でもなんでもいいからなにかしらの回答が欲しい。出会う人間すべてに疑念を抱かせるようなことをしているのだから、それくらいは妥協してほしい。

 

人のセックスを笑うな (河出文庫)

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なんでこんな話をしたかというと、昨日のK-1で大五郎カットのおっさんがレフェリーをしていたからだ。人の好みはわからない。

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