魂の叫び
ベイビーヒューイのアルバムを聴いている。なんのきっかけで買ったかは忘れた。
ネットで聴けるとは便利な世の中だね。
彼はドラッグばかりやっていたようで、1971年、デビューアルバム制作の途中にオーバードーズで死んだ。途中で死んじゃったもんだから歌が入れられなかった曲が多数あるのだが、それでもCDは発売された。魂の叫びというものは、なかなか聴けるものじゃない。それが音楽に昇華されたものならなおのこと。日本の音楽で心の震える叫びを聴いたのはいつだろう。さすがに無いとまでは言わないが、記憶の引き出しをいくら開けてみても、誰の名前も音楽も出てこない。いつからか音楽から、いや日常から叫びが消えたように思う。
最近、競馬のyoutubeを観ていたら、久々に震えた。魂の叫びがあった。
気になったら、是非一話から観て欲しい。
この叫びとベイビーヒューイの叫びが同じに聴こえた。心から、自分のすべてをかけて、自分はここにいるんだと叫んでいる。とびっきりに滑稽だけど、それがいいんだよな。笑って泣ける。志村けんはコント番組にシリアスなやつ入れたり、哀愁が無きゃだめだみたいなことを言ったりしたみたいだけど、そういう考えの人の作品を子供の頃にたくさん観られたことは良かったなって思う。二十過ぎでオーバードーズで死んだ歌手とギャンブル狂。普通に考えたらこの二人は頭おかしいってことになるんだろうけど、このご時世、正気ってなんなんだろうなと、正気だからなんなんだろうな、って思うよ。