この1週間で、俺の大好きな業界で生きていた人に二人出会った。別々の場所で。

田舎だと相当に珍しい出会いだから、一人目はもちろん興奮したが、二人目は思わず変な声が出た。

二人とも都会でやっていたりもしたが結局諦めざるをえず田舎に帰ってきた、といったところだ。よくある話と言えばそれっぽいが、どのケースも一生懸命にその世界で身を立てようとした人間の話なわけで、一言でわかったような顔をするのは良くないことだなと反省。

二人ともよく喋る男で、濃ゆい人生を送ってきたことを伝えようとする。もともと濃ゆい業界だとは思っていたし、今は下火になってしまったから、思うところも色々あるんだろね。

一人はすでに第二の人生に向けて歩き出していた。これがまた面白くて考えさせられる話なんだけどここに書くようなことじゃないので割愛。もう一人も家庭持ってまあ可もなく不可もなくって感じでやってるみたい。俺はバカだから、ってのが口癖のようだ。

二人と話していると、じゃあ俺はこいつらのように若い頃何かに打ち込んだだろうか、と思う。

あるにはある、と伏し目がちになってしまう程度にならある、と言っていいのだろうか、そんな曖昧などちらかと言えば無い寄りの有るではあるが、やはり胸を張って有るとは言えない。

例えば俺にとってのそれは麻雀だったりした。俺が彼らと彼らの世界で戦ったら勝ち目はないが、麻雀なら絶対に負けない、という自信はある。しかしそれがいったいなんなんだろう。不完全数学ゲームに対して期待値や確率などの数学的なアプローチをしようとして早々に断念してしまった俺なんて、ただ遊んでいただけじゃないかと。プロはもちろん、ちょっとやってる素人に今どれほどの成績が残せるんだと。店員やってた時に辞める前の一ヶ月真面目にやった記録は100ハンチャン打ってトップ率4割、順に3、2、1割で自己満足に浸ってたけど、結局なんも金にならんかった。友達とセットで打ったらまず負けないレベル止まりだった。一方で俺としてはあちらの業界で頑張ってきたことはとてつもなく尊くて手放しで敬意を表するほどのことなのだが、案外あいつらも自己評価はそんな感じなのかもしれない。とはいえ、格闘技で例えたら、プロのリングで闘ってたやつと路上で喧嘩しかしたことないやつくらいの差があるが。やっぱり一度くらいはスポットライトを浴びてみたかったよね。