にっき

夜。タバコを買いに外へ出る。空一面に雲がかかって星も月も見えない真っ暗闇の中、車に乗る前に立ち小便をしていたら、何かが聞こえてきた。田んぼを挟んだ向かいの家の奥様が、気分良さそうに「さよなら人類」を口ずさんでいた。立ち小便よりも恥ずかしい事態に居合わせているような気持ちになり、勢いを緩める。あの家庭を数々の不幸が襲ったことを俺は知っている。どこもそんなもんなのかしら、と思いながら車を転回させていたらライトを付けるのをすっかり忘れていて3メートル下の田んぼに落ちそうになった。子供の頃は思いっきり助走して何度もここに飛び込んでいたっけなあ。