新入社員の女性

信号待ちしてたら対角に自転車に乗ったスーツの女性が自転車で信号待ちしてた。ああもうそんな季節かと物思いにふけろうとしたら度肝を抜かれた。黒髪を後ろでひとつにしばった化粧っ気のない新入社員然とした女性のリクルートスーツのスカートの丈が尋常でない短さだったからだ。自転車に乗ったまま左脚を地面につけて右脚をペダルに乗せているんだけどもうそれだけでぱっくりパンツ見えちゃってやんの。スカート丈が膝上何センチとかいうレベルじゃなくて、太ももの半分くらいしかなかった。サイズミスったとかあえて少し短くしたとか、そういう次元の短さではないのよ。どう抗っても絶対に見えてしまうという確信に満ちたけしからん短さだったのね。いったいこれはなんなんだろうと思ってね。どんなハプニングが起こればそんなクソ短いスカートを履いてチャリに乗らなければならない事態に陥ってしまうのかとね。わざとってことでもイジメってことでもないだろうし、撮影班も見当たらないし、ほぼほぼその女性の意思でそのスカート履いてるわけじゃないですか。逆にそれを履かなければならなかった理由はなんだろうっていう話。まあ俺も遠い昔、新入社員として初出社したことがあったけど、その前の日に右手の甲の骨を折っちゃってグローブみたいに膨らんだ右手を隠しながら初仕事に勤しんだことがあったけど、まあなんていうか初々しいっていうんですかね、よくわかんないけど。んで信号が青になって、自転車を漕ぎ出す前にスカートの裾を手でずり下げるような仕草をしたのね。いやもうそんなことしても意味ない短さなんだけどね。でもその仕草にグッときたよね。ああ俺は見せつけられるよりも隠そうとすることに心が動かされるタイプの人間なんだなって痛感したね。思えばその感覚はエロに限った話ではなくてね。常になにかを隠してるんじゃないかっていう目で人を見ている節があるし、猜疑心とは違うんだけどね、人間だれしも知られたくない癖や言いたくないことってあるじゃないですか。過去を見てるってことなのかな。別に過去になにかやったから云々とかそういうことでもなくてね、なんて言えばいいんだろうね。どうでもいいか。