Stain

上京して初めてできたスケボー友達に借りたCDをMDに録音してさらにCDに焼いてさらにHDDにコピーした頭脳警察を今プレステ3で聴いている。頭脳警察とは、ざっくり言えば日本の若者が革命を起こそうとしていた時期の過激な左翼系バンドだ。私はその時代には生まれてすらいないし、右翼にも左翼にも特別な思いはないが、たまに無性に聴きたくなる。「コミック雑誌なんか要らない」という曲がある。自分が生きているリアルのほうが漫画よりよほど劇的で面白いから、という歌詞なんだけど、今はむしろありふれた現実を漫画や漫談で誇張してSNSで不特定多数にばらまいてイイねしてもらう世の中になってしまって、そういう時代のギャップが面白いしなんか悲しい。「夜明けまで離さない」って曲が一番好きで、サビの「愛してなんていないけど君を抱きたい 夜明けまで夜明けまで離しゃしない」って歌詞がとても良い。もちろん、ヤりたくなったからヤレる女と朝までヤりました、っていう意味じゃないっていうかまあそういうことなんだけどそういうことじゃない淋しさとか空しさみたいな微妙な味わいがあるじゃないですか。実際そういうことってあったわけじゃないですか。夕方の灯りを消した六畳一間で泥のようになってさみしさを埋めあったり、夜明けの澄みきった冷たい空気の中をとぼとぼ歩いて帰りながら自己嫌悪したりしたわけじゃないですか。そういうモラトリアムなノスタルジアって誰にでもあると思うんですよ。でもなんか今の二十代って40パーくらい童貞らしいんですって。つまりさっき書いたような感覚も通用しなくなってきているってことじゃないですか。「それってなんかメリットあるんですか」とか言われちゃうわけじゃないですか。いやそういうことじゃなくてねって説明しようにも、向こうはそういう経験をしたことがないどころかsexすらしたことがなかったりするわけだから、共感もへったくれもないわけですよ。まあ二十代でするような話でもないし、ていうかこんなこと誰と話するようなことでもないんだけど、こういうちょっとしたすれ違いが積もり積もってジェネレーションギャップと呼ばれるものになるわけで。まあどうしようもないし、どうにかするようなことでもないんだろうけど。