げつよう

対向車線を走っている車のタイヤから、何かが進行方向と垂直に転がり出した瞬間を見た。

ホイールカバーだった。よく車に乗る人だったら、メタルスライムくらいの確率で路肩に転がっているのを見たことがあるだろう。ああいうのって突然外れるんだなあ。

それ以来、車とすれ違うたびにホイールカバーが付いているかどうかをチェックするようになった。比較的古い車や安い車についている場合が多かった。

ホイールカバーってなんの意味があるんだろう。

結論として意味などない、と言わざるをえないのだけど、一応好意的に色々考えてみた結果、見栄以外に見いだせる意味がなかったのでやっぱり意味はない。でも付いてる。多分ほとんどの人は付いている自覚すらないだろう。

それはデザイン的な理由に集約される。デフォルトのホイールのデザインは軽トラのホイールみたいな場合がほとんどだ。あのデザインは汎用性が無く、デザイン的に流行り廃りに耐えうる強度持っていない。というかどの車に付いていてもダサく見えてしまうという代物だ。だから今っぽい洒落乙感を醸し出すにはホイールカバーを付けるのが一番手っ取り早いのだ。

もちろん、安い車でもデフォルトでいいタイヤが付いている場合はあるだろうし、後からなんとでもカスタマイズできるのだからいいじゃないかと思うのだけど、だったらホイールカバーなんてはじめからいらないじゃんとしか言いようがない。しかしそれは勝手に付けられているものであり、それも込みの値段で売られているわけで。自動車関連業界全体で協力して時節に耐えうるデザインのホイールを作ってデフォルトにするなり、ホイールくらい最初から選ばせてくれれば、ホイールカバーなんて馬鹿馬鹿しい物は作らなくてよくなるわけで。まあ中古車業界のこともあるけど、そこまで考えるのはめんどくさい。

とにかく、あってもなくてもなんの意味もない、最初から勝手に付けられている見栄が突然転がりだして何かしら事故の原因になってしまったらと考えると、ホイールカバーなんてもう無駄の極みでしかない。

と考えてみたところで、しょうもない見栄で起きる事件事故って車に限らずけっこう多めにあるよなあと変に納得してしまった。