日野さんのビンタの件がものすごい炎上したけど、自分でもびっくりするくらいムカついたのは、あの程度で体罰だ暴力だとわめくどこの誰ともしれない人たちだった。そしてその人たちは誰一人あの時どうすればよかったのかを示すことはなかった。そういう暴力的な人たちが私は大嫌いだ。ビンタしてやりたい。

日野さんの件はビンタがどうとかっていうよりは、ありゃ怒って当たり前だってただそれだけの話でしかなく。あれがグーでおもクソ殴ったんだったらまた別だけど。

たぶんあれだけの反応があったのは、ああいう時代を生きた人が多いからってことなんだろう。自分も同じようなことをされたことがあるのだから、どうしても反応したくなってしまうよね。

私はバスケ部で、練習中、顧問の女教師に呼び止められ振り向いたところをいきなりグーでぶん殴られて、体育館の端から端まで対角線上に殴る蹴るのコンボを喰らってそのまま部活を辞めたのだけど、私がそこまでの体罰を加えられた理由は、私の練習態度にやる気が感じられないというそれだけの理由だった。

私は子供の頃に爪を噛む癖があって、小学生からずっと両手両足が深爪だった。足の爪をかじっていたわけではない。で、足の深爪は二、三ヶ月おきにめちゃくちゃに食い込んで、ささくれが肉の内側で常に刺さっている状態になっていた。殴られた時もちょうどその時期で、ダッシュや踏み込みが本気でできなかったのだ。しかし、激昂してキーキーわめきながら私をボコボコにしている女に向かって「私深爪なんです」「今ちょうど爪が肉に刺さってる時期でマジでヤバイんです」などと言えるわけもなく、言ったところで「だったら仕方ないね」となるわけもなく、私はただ殴られ続けるしかなかった。

とかいろいろと苦ーい体罰の思い出が蘇っちゃうよね。本当にそういうのばっかりだったけど、いくらその時の教師を断罪できないからって、それとあのビンタを比べるのはすっごいバカバカしいと思う。そういえば昔「びんた」っていう賀来千香子が主演の人情ドラマがあって、毎話千賀子のマジビンタを男性アイドルが喰らうっていう話だった。あれはけっこういいドラマだったけど、今再放送したらヤバそう。ちなみそのドラマのテーマソングはドラマに出ている男性アイドルが歌う秋元康プロデュースの曲だった。

それはそれとして、あのセルフィッシュなドラムを見ていると、ブライアンセッツァーを思い出した。彼がライブでやる曲のは必ずちょっとどころではないアレンジする。同じ曲を同じ演奏でやることはまずない。んで、ソロはいっつも長くやる。アドリブとか入れまくりでめっちゃ楽しそうにソロを続けるんだけど、もちろんそれを咎めようという人は誰もいないし、むしろラッキーだし、聴いている人たちはそのままずーっとソロを聴いていたいって思うだろう。スリムジムファントムもリーロッカーも、まーた始まったよ、しょうがないねえ、なんつって笑いながら合わせるんだ。

もう一人、木田。

これは「デカスロン」や「ひょうげもの」でおなじみの山田芳裕さんの短編集「泣く男」の巻頭に収録されている「木田」の主人公だ。こいつがスーパーギター馬鹿で、バンドでもいっつも自分勝手なオナニーを延々と続けて音楽仲間の誰からも嫌われてハブられてくすぶってるんだけど、ギターの腕だけは超一流なもんだから、なんだかんだでソロでプロになりかけるんだけど、やっぱりギターを弾かせると自分の世界に入っちゃって協調性もなんもなくちんこ勃てながらずーっとオナッてるだけだから、そんなスタイルじゃあ日本では売れないよ、なんてやんわりクビにされかかるんだけど、レコード会社の姉ちゃんが木田に惚れちゃってて、途中でセックス誘うも女じゃちんこ勃たなくて恥かかされたりしながらもなんとかロンドン行きを橋渡しするんだけど、やっぱりどんなにうまくてもギターとヤってるだけだから誰からも認められないで冬のロンドンで野垂れ死ぬって話。その時に見ている幻覚は、木田はちゃんと世界に認められてて、何十万と集まったステージの何十メートルもありそうな最上段から興奮のあまりダイブしてナチュラルにラリったまま死ぬっていうもう救いようがないくらい悲しいオナニーの話なんだけど、好きなんだよなあ。

そういえばストレイキャッツはアメリカのバンドだけど、デビュー当時はあんまり人気が出なくて、ほぼしゃーなしでロンドンに行って、そこから人気に火がついて逆輸入的な感じでアメリカに凱旋したんだったような気がする。