電光掲示板とローソンの彼について

あれ以来、理容店の電光掲示板を毎日チェックするようになってから、かれこれ一週間くらいになる。しかし一向に何が書かれているかがわからない。というよりも、毎日毎日いつ見ても違う文章が流れている。たった7文字程度しか表示できない電光掲示板に流れている内容は理髪サービスのことから星座占いまでとても幅広い。しかし長いのでひとつとして最後まで読めない。ほとんどは五七五形式で書かれていると思われる。

 

 おかげさまで、同じ道沿いに他にもいくつかの電光掲示板を発見することができた。例えば役所は交通標語や交通俳句を流している。どこぞの理髪店のように縦長のディスプレイに下から上に1文字づつ流れるのではなく、横向きのディスプレイに上から下に流れる。俳句なら五文字、七文字、五文字が固まりで流れるので読みやすい。しかし車で通ると、標語をすべて読むことはやはり不可能だ。これを導入した役場の人間はどういう人なのだろうか。逆らえないしがらみがあるのか、キックバックをもらっているのか、優しくて断りきれなかったのか、予算の帳尻合わせか、あるいはただの馬鹿か。この中から3つは当てはまりそうだ。

 

飲食店にも電光掲示板を用いている店があった。よくあるラーメン屋だ。チャーハン、チューハイ、ビールなどの商品名が、市役所のように横向きのディスプレイに固まりで出てきて上から下に流れる。これは視認しやすいし、理解しやすいし、購買意欲をほんのり刺激する。上の2つとは比べるまでもなく効果があるものと思われる。

 

電光掲示板といえば、やはりガソリンスタンドだろう。ガソリンスタンドと電光掲示板の相性の良さは他の追随を許さない。最高の組み合わせだ。これこそ正しい電光掲示板の使い方だと断言できる。あとは株式市場の値動きなどの刻々と変動する数字を表すような場合に用いるのが好ましい。他には温度、湿度、天気、時間などだろうか。

 

今日はあのローソンにも寄った。ウイスキーの小瓶を買った私にレジ越しに「直飲みですか?」と聞いてきた学生がバイトをしているローソンだ。いつものパンを持ってレジに行くと、タバコの仕出しをしていた別の学生バイトが気づいて振り返ったのだが、少しの間(もしかして会計ですか?)と言わんばかりに首を傾げて顔をうかがってきた。そいつがようやく私のいるレジについたそのとき、私と同時に入店したちょっと酔っ払ってこれからキャバ嬢と飲みに行こうとしているイキった二人組のうちの1人が酒とつまみを持ってもう1つの無人にレジに向かってゆっくりと歩き出したそのとき、バックヤードから彼が早足で登場した。私は彼を目で追いながら適当に会計を済ませた。

 

出口に向かって歩いていると、イキッた兄ちゃんの軽くあしらうような言葉が聞こえてきた。やはり彼は彼は客に声を掛けたようだ。そして軽くあしらわれたのだ。しかし彼はやはり何事もなかったかのように淡々とレジを打っていた。その様を私が横目で見ていることなど知る由もないだろう。