名前の呼び間違いと聞き間違い

こういうことはよくある話で、だからいちいち気にするのは体に悪いよなあと思いつつも、気にせずにはいられない気持ちもまあまあわかる。のだが、わたしの場合の気苦労は「間違えられる」ことにではなく「わたしが間違ってしまう」ことにだ。わたしの苗字は簡単で、一度も読み間違えられたことはないのだが、思いもよらぬきっかけで間違えてしまうのだ。

 

しゃべりだすときに小さな「あ」を付ける人と言えば、将棋の森内俊之さんがあまりにも有名だが、高校の先生もそうだった。「ぁ木村ー」みたいな感じで名前を呼ぶのだが、名前の前に「ぁ」がつくことで、違う苗字になってしまうことがある。例えば「きもと」という苗字を呼ぶ場合、「ぁきもとー」となり、よそ事をしているとそれが「あきもと」に聞こえてしまう。この「ぁ」は、ときに「ま」にも「か」にも「な」にも聞こえるしまうほどあいまい「ぁ」なのだが、わたしの苗字の場合、頭にあ段の文字がつく多くの場合で、別のありふれた苗字になってしまうので、聞き間違えて返事をしてしまい、恥ずかしい思いをしてしまうのだ。

 

わたしの場合は、間違えるのがわたしのほうなので、その屈辱の矛先を他人に向けることができない。できることといえばせいぜい、大勢がいる空間で自分が名前を呼ばれる可能性があるときは、周囲の様子にひときわ注意を向けるくらいのものだが、それは名前を呼び間違えられることとは別の意味で消耗する。まあそこまで周囲に気を配る機会なんてほとんどないんだけど。

 

蛇足

よく間違えられるからいっそそちらの名前で活動することにした、という話もよく聞く。例えばダウンタウン浜田雅功の本名は「濱田」なのだが、苗字が「浜田」に間違えられることが多かったことが、「浜田」にした理由のひとつだったと記憶している。ちなみに、作家業や俳優業など本業以外では、本名の「濱田」表記となっている。

 

 

ほっとけないよ

ほっとけないよ