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人気と実力は見合っていなければいけないよな

やりきれない話

昨日も閉店セールをやっていた古本屋に行った。

この間に行ったときは、まだ通常営業時のような体裁を保っていたが、今はもう空になった棚の方が多い。本の並びも若干ばらけてきた。カゴに入れた本を、物色中の棚に戻す人がいるからだろう。わたしは少しでも気になった本は全部買ってやろうと意気込んで、物色を始める。半周ほどしたところで、わたしは自分に腹を立てていた。無意識のうちに、自分の知っている著者を選り好みしていたことに気がついたからだ。自分の知らない著者の本に、まったく関心が持てなかった、いや持つことができなかった。結局買ったのは、どこかのレビューで読んだ名前を知っている著者の名前を知っている作品と、有名どころの有名作品ばかりになってしまった。

 

もちろん、面白かったというレビューを散見するくらいには評価があるので、どれも面白い本なのだろうし、今のところ読んだ本は全てが面白かった。買ってよかったと思った。しかし、わたしが買いたかったのはそういう本ではなかった。全く知らない人の、評価のよくわからない本を買いたかったのだ。しかし、いざ手にとってみると、悩んでしまう。官能小説めいたものも、ラノベと呼ばれているものも、ついに買うことはなかった。DVDも投げ売りされていたが、遠藤章造が主役の「バスジャック」という誰の目にも明らな地雷も、手にとっては見たものの結局棚に戻してしまった。たいていの面白そうな本や掘り出し物っぽいものがすでに売れてしまっていたということもあるが、というのはただの言い訳だった。15冊ほど持ってレジに向かう。150円だった。前は一冊40円だったのだが、さらに安くなっていた。10円の本を買うのにいちいち悩んでいるわたしっていったい・・・。

 

これが漫画なら、ここまで敷居が高くなることはない。簡単に買って、つまらなくてもちゃっちゃと最後まで読んであーつまらなかったで終わる。これが音楽なら、飛ばし飛ばし聴いていくうちにひとつくらいは気に入った曲やフレーズが見つかったり、時間をおいて聴くと印象が変わったりするものだが、小説だとそう簡単に失敗したくないという思いが強い。クソつまらない小説を読んでいるときのあの苦しみだけは、残りの分厚さに感じる絶望だけは、最後まで読んだ後の徒労感とムナクソの悪さだけは、どうしても受け入れがたい。

 

そういえば最近、声優界隈でのこのような叫びもはてなブックマークに轟いたっけ。

新人がいけないのか、大人がいけないのか|… tacit consent …

芥川賞作家の羽田圭介が受賞後によくテレビに出るようになったが、そこで語っていたことが脳裏によぎる。

 

やっぱり、名前が売れているっていうのはとても大事なことなんだ。当たり前ちゃー当たり前なんだけど、上記の声優の話みたいに、売名がなによりも先にくるのは、いうまでもなく本末転倒なわけで。人気だけで物事を決めてしまい、その品質がそこに見合ったものでない場合、それは大げさに言えば市場の破壊行為なので、批判が多くなるのもまた当然なわけで。人気には、それに見合った力が伴っていなければいけないと思うわけです。その人気を頼って購入した人が、その人気に見合っていないものをつかまされたことによる不信感というのは、簡単に拭いされるものではないわけです。や、不信感を抱くことすらないかもしれん。最初から知らずに毒ばかり食わされてしまっては、毒が普通の食べ物になってしまうもんな。美味しんぼじゃないけど、最初から添加物にまみれた食品ばかり食っていては、味覚がバカになってしまうわけで、良いものを良いと感じるための眼力が曇ってしまうわけで、最終的に誰のためにもならないわけです。ドラッグで元気の前借りしてるようなもんでね、そんなん依存するにきまっとるわけで、

 

はてなブックマークにおける互助会問題も、ざっくり言えば「なんでお前がここにいるんだよ!?」って話で、それは面白いとか面白くないとかの次元の話ですらないのではないかと思ったり。ただブクマしたいからしてる、なんて人もいるわけだけど、ブクマをすることで人目に触れやすくなることなんて誰にでもわかることなんだから、嘘をつけ!としか思えないわけです。その人を応援してるにしろ、なにかしらの約束事があるにしろ、「人気を獲得するため」というメリットを意識していないはずがないんですよね。で、はてなブックマークは、ブックマークしてコメントした人も、ある程度知名度を得られるようなデザインになっているわけだから、人気なものにはブクマコメントもつきやすくなるわけで。それは本人のための売名という見方もできるわけです。なんだかんだいってやっぱり、やたらとブクマをしてる人のアカウントってのは記憶に残ってしまうもんで、それがその人のブログを覗く無意識的な動機になっている側面は否めないんですよね。たしかにただの個人ブログにそこまでのクオリティを求めるってのも違和感ある話なんだけど、だからこそ、ブックマークがついて人気ブログになって本を出したり、なんやかんやメディアに露出しだす人たちをみると、同じように違和感を感じるわけです。で、そんなことを考えていると、実力ってなんなのさ?と途方に暮れてしまうわけで。で、ちょうど今日、古本屋に、はてな界隈ではおなじみの小島アジコさんの「となりの801ちゃん」が売っていまして、この人のブログに書いてる漫画が嫌いではなかったのでこれはと思って買ったわけです。10円で。で読んでみたんですが、鉛筆で下書きしたような冨樫でもこんなに雑じゃねーよ?っていう四コマが1ページにひとつしか書いてなくて、内容も含めてなんでこんな雑な出来で書籍化できたのか1ミリも理解できないというのが正直な感想。こんなもん1000円(本来の価格)で買ったやつがかわいそすぎる。今まで見た漫画の中でもぶっちぎりの雑さは、むしろみんなに読んでもらって感想聞きたいくらい。この人はどちらかというと好きな方だったけど、これはフォローできない。で、これは2006年ごろのブログにのっけてた漫画の書籍化だということがあとがきに書いてあって、要するにある程度人気になったからってことなんだろうな、と思うともうなんもいえん。こんなもんなのかな。

 

 

 

となりの801ちゃん (Next comics)

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