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あの漫画のあの音楽になにを当てはめているのか問題

音楽 気になる話

漫画には、音楽を演奏したり、音楽を聴いている描写があります。

 

その絵から音楽が流れていることはなく、どんな音楽が流れているのかは想像するしかありません。それは自分が知っている音楽だったり、脳内で楽器を鳴らしたりするわけですが、そのときの選曲には、その人の好みはもちろん、その物語の世界をどう捉えているのかっていうのがよく現れるんじゃないかと思います。というわけで、あの漫画の、あの曲について、わたしが脳内再生している音楽を紹介します。みなさんはどんな音楽を流していますか?

 

BECK」のあの曲

 

 内気でサエナイ小心者、コユキが音楽に出会って変わっていくというサクセスストーリーで、アニメ化も映画化もされている大人気漫画なわけですが、「誰もが熱狂するすっげーカッコイイバンド」を描いた漫画であるだけに、映像化は困難だろうと言われていました。漫画でハードルを上げすぎているだけに、そのバンドの音楽を現実に演奏したときにそれが期待を上回るものにはなりにくいよね、ということですね。実際、映像化における音楽については、賛否両論(主に非)がありました。

 

、、、まあわたしは映画もアニメも見ていないので、あの曲がどんなふうに仕上がったのか知らないし、どうのこうの言うつもりはありません。ただ、(聴いてもガッカリするだけよな、どうせ)という思いがあったのは事実です。わたしは、期待してガッカリするくらいなら知らない方がいい、妄想で楽しめればそれでいいんじゃないか、と思う派です。

 

「あの曲」っていうのは、コユキが歌うあの曲です。歌い出しから一発で、全ての観客をシビれさせてしまった、あの曲ですね。あ、BECKを知らない人は、まず買って読みましょう(笑)

 

 

BECK 全34巻完結セット (KCデラックス)

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わたしは「あの曲」にmetersのMake It With Youを当てはめています。

 

 

時間が許すなら、どうかこのライブ盤を初めから聴いて欲しい。で、そのままの流れで23分ごろに演る「Make It With You」を聴いて欲しい。この曲の歌い出しに覚えた感動と、「あの曲」で観客をシビれさせた描写を重ね合わせるのが、わたしの中ではしっくりきます。まあ、漫画の中のバンドが演る音楽にしては、ちょっとアダルティというか黒々しくはありますが、そこは好みってことで。こういう想像の余地の広さは、漫画や小説の強みだと思います。

 

「HUNTER✖️HUNTER」のあの曲

 

 ブラックプラネットってバンド知ってるかい?
 こいつらの2ndアルバムが超クールでよ
 全12曲だが連作になっててな
 聴き終わるといい小説を読んだ後みてーな心地良い浮遊感が残るんだ
 名盤だ」
 (何がいいって 演奏時間が丁度60分なんだよな)

 

蟻編。

 

蟻に喰われて蟻になったレオルは、念能力を身につけて、討伐隊のモラウと対決するのですが、戦闘前にイヤホン着けて「ブラック プラネット」のアルバムを再生します。そのときにモラウに言ったセリフです。あ、知らない人は読んでから見てくださいね。

 

 

HUNTER×HUNTER (1-32巻セット 以降続巻)

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で、この話を聞いたモラウはレオルを「やりにくい相手」だと警戒心を強めます。どうしてそう思ったかというと「ブラックプラネット」はモラウも大好きなバンドだからです。嗜好が似ているってことは、性格や考えや戦い方も似ているということです。二人とも勝気な性格してますもんね。ハンターハンター的には「軍儀」で例えるべきところですが、あまりにも詳細が不明なので(笑)将棋で例えると、振り飛車党が相振り飛車をやりづらいと思うようなものでしょうか。そして蟻編におけるさまざまな戦いでの、このように細やかな心理戦の描写は、真の大将戦とも言えるコムギVS王の軍儀対決にも隠し味的な趣を加えているわけですね。

 

話を戻します。モラウは少数精鋭の討伐隊の主要戦力として会長から直々にご指名を賜ったわけで、それだけでもただものではないということがわかるわけですが、それまでの戦いで、精度が高く深みのある洞察力や窮地における臨機応変な対応力など、モラウの強さをすでに読者は十分すぎるほど見せつけられています。そんなモラウと同じ嗜好を持っているということは、暗にレオルの強さもほのめかしているわけです。ゆえに、やりづらいわけですね。

 

そしたらもう、そんな二人をシビれさせた「ブラックプラネット」っていったいどんなカッコイイバンドなの?って誰もが思ってしまうわけですよね。

 

「ブラックプラネット」は架空のバンドなんですけど、ちょっとネットで調べてみると元ネタについての考察があったので覗いてみたんですよ。そしたら、やれアルバム名に「ブラックプラネット」という文字列があるからパブリックエネミーのアルバムが元ネタなんじゃないかとか、やれバンプオブチキンじゃないか、なんて言われているんですけどね、パブリックエネミーはないわー。レオルはともかくとして、モラウがあの格好でhiphop好きってのはないわー。キャラクターがわかりにくくなるもん。そもそもバンド名だって言ってるじゃないですかー。てゆーかバンプオブチキンとか1000%ありえないわー。アウトオブ眼中だわー(死語)。戦闘のBGMにJ−POP選ぶとかアバンギャルドにもほどがあるわー。ハンターハンターの世界にJ−POPってのは、ちょっと考えられないっす。急に安っぽくなるもん。別にバンプオブチキンが悪いわけじゃなくて、バンプオブチキンがいるJapaneseのmusic業界が、ハンターハンターの世界と馴染まないよねって意味ですよ。

 

じゃあなんなんだよ?って?

わたしは「PLANET」ってバンドを当てはめています。

 

 

 わたしは、こういうバンドなんじゃあないかと思うわけですよ。モラウ好きそうじゃないですか、こういう系の音。アルバム通して世界観と音作りが一貫しているし、まるで小説のようなうねりのある曲順ですし、バンド名も「PLANET」ですしね(笑

 

屋内に誘い込んで、レンタルした念能力「TUBE」で主導権を握り、自信満々に意気揚々と攻めたてながらも、決して警戒を怠ることのない喰えないレオルのイヤホンからは、そして防戦一方のようでいて必勝の罠を密かに仕掛け始めているモラウの脳内では「Don't You Let ME Down(俺をがっかりさせるなよ)」(25分ごろ)が同時再生で流れていたんじゃねーの?なんて妄想しながら楽しむわけです。

 

物語を楽しむための妄想力

 

なにが元ネタか、とか実際にどんな音楽が流れたのかとか、それはそれとして、妄想力で自分が一番楽しめるようにカスタマイズしていくのは、邪道かもしれませんがわたしがオススメしたい物語の楽しみ方です。ましてや、元ネタが明示されていない描写です。作者的には、そこはお前らで上手くやってくれよってことだと考えていいんです。自由にやってくれよ、と。そのかわりちゃんとやれよ、と(そこまで言ってない)。作者から託されているわけじゃないですか。最終的にその作品を完成させるのは読者の妄想力なわけですよね。そういう関係性っていいな、って思います。もちろん、そのためにはこちらもいろんな作品を取り込んでいかなければなりません。いろんなジャンルのいろんな作品を知っていればいるほど、カスタマイズの組み合わせが増えて楽しいものになりますよね。このへんがサブカルクソ野郎の腕の見せ所だと思うわけです。

 

あなたは、あの漫画のあの音楽になにを当てはめていますか?