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高知東生の逮捕についての考察と回想

気になる話

高知東生覚せい剤大麻所持の現行犯で逮捕された。彼がラブホテルで女性と一緒にいたところに踏み込んだとのこと。ワイドショーなどの下衆い情報によると、逮捕時の高知ははだかで、捜査員に「ありがとう」的なことを言ったらしい。テレビでは、どうしてありがとう?なんて首をかしげていたが、まあ覚せい剤で酩酊状態にあったと考えるのが、一番妥当だろう。ラブホテルに女性といたということは、ナニをするため以外の目的は考えられず、その場に覚せい剤大麻があったのなら、それはナニのために用意したものと考えるのが普通だ。そして彼は、はだかで寝ていたところを踏み込まれたわけで、それはつまり、ナニを済ませた後なわけで、ということは、その時のふたりは既に覚せい剤大麻を使用していただろうと考えるのが自然だからだ。テレビでそういうことをあけすけに言うわけにはいかないことは理解できるだろう。暗に伝えたかったのはそういうことなのだ。と思う。高知東生と女性は、逮捕時に覚せい剤4gと大麻2gを所持していたとのことだ。大麻2gは一般的に、ふたりでだいたい一日二日で消費する量であるのに比べて、覚せい剤4gは数十回分の量だ。覚せい剤による覚醒および酩酊は、一回の使用でおよそ半日ほどは続くとされている。作家がカン詰めしてるわけじゃなし、どう考えても覚せい剤の所持量が多すぎるのだが、とりあえずそれは置いておこう。ところで、覚せい剤大麻のチャンポンのことを、一部常用者の間では「はやトロ」と呼んでいる。覚せい剤を使用すると、意識が冴える、覚醒する、と言われている。俗に言うアッパー系のドラッグだ。対して大麻はダウナー系のドラッグで、意識がとろ〜んとすると言われている。「はやトロ」とは、その効果を現したスラングで、だからといってどんな状態になるのかはご想像にお任せするしかない。もしくは中島らもあたりでも読んでみてはどうか。2004年に芥川賞を受賞したモブ・ノリオの「介護入門」を読んでみるのもいいかもしれない。「介護入門」は、大麻を愛用する著者が祖母の介護をするというノンフィクション的な小説で、老人介護が大きな社会問題となり、問題解決の糸口すら見えない現在、さらに味わい深く読むことができるだろう。閑話休題。じゃあなんでお前はそんな言葉を知っているんだとお思いだろう。なぜなら、昔のわたしの上司が「はやトロ」大好き人間だったからである。上司は、現場までの車中「お前にもヤらせてみてーよ〜」などと、とても楽しそうに話してくれた。それから少しして、上司は覚せい剤所持の現行犯で逮捕されることになる。ある日の夜の取引直後、大通り沿いに車を停止させていたところに職質をかけられたのだ。わたしは、上司の逮捕から1時間も経たないうちにそれを知ることになった。上司は地元に悪友が多く、長年そこに住んでいたわたしは、共通の知人が多かったのだ。先輩(上司の後輩)からの電話でそのことを知ったわたしは、マスオさんのような素っ頓狂な声で驚いた。とはいえその頃のわたしは、ひとりで現場を任されていて、始発に乗らないと間に合わないほどの遠方だった。後ろ髪は引かれたものの、できることもなければ恐れることもない。明日からいろいろと面倒なことになりそうだと頭を掻きながら床に就くよりなかった。わたしが事務処理のために会社に帰る時間は、みんな現場に出ていて、地下アイドルをやっている事務員がひとりだけしかいないのだが、その日は社長もいた。社長はわたしの一つ年上で、上司の地元の後輩でもあった。「お前も聞いてると思うけど」と目で話しかけてきた社長と連れ立って、倉庫兼喫煙所へ行った。社長の話を聞いて、わたしはまたマスオさんのような声をあげてしまった。上司の逮捕の後、その情報はすぐに仲間内に広がった。そして彼らが何をしたかというと、証拠の処分である。誰もが脛に傷を持つ身で、叩けば埃の出る身なのである。すぐにやってくるだろう家宅捜索の前には、自分とのアブない交友を匂わせる証拠になりそうなものは処分しておかなくてはいけないのだ。それは上司の罪を少しでも軽くすることにもなる。話を聞きつけた悪友たちは、とりもなおさず上司の家に集合し、少しでも怪しいと思われるものをいっさいがっさいかき集め、別の場所に移したのだ。上司は結婚しており子供もいる。さらに実家暮らしだ。たいへんな修羅場だっただろうことは想像に難くない。その作業は朝方までかかったようで、そのまま現場に出て、そうそうに仕事を終わらせて帰ってきたというわけだ。もちろん社長には、上司が開けた仕事の穴を埋めるための挨拶まわりや人員の確保などの雑処理もあり、上司の家庭への配慮もある。上司への弁護士の手配や地元仲間との情報交換にも精を出さねばならない。当分は、休めそうにはない。もう聞いているだけで頭が痛くなった。と、まあこんな経験があったわけなのだが、いったいどうやって上司の逮捕を知ることができたのか。後から聞いた話だが、逮捕されると、まず携帯電話を押さえられる。当たり前の話だが、上記のような工作をさせないためだ。にもかかわらず、1時間もしないうちにその情報は悪友間に広がり、工作は完了したのだ。そのカラクリを聞くことはできなかったので、それも想像するしかないのだが、まあ、それはそれとして、高知東生覚せい剤4g所持をどのように解釈するのが妥当なのか、そんなどうでもいいことを考えてみる。

 

推測1,リスクマネジメントとして

 

彼には、証拠を処分してくれるような横のつながりはなかったのではないかと考えられる。そもそも知人(と称する)女性とラブホテルにいたわけなのである。それも一泊はする予定だったいう話だ。もし捕まった際の被害を最小限にするための仕掛けを施した上でラブホテルに入っていったとは考えにくい。麻取だって馬鹿ではないので、高知東生の家の場所くらい当然知っていたはずだし、張り込んでいた人もいるかもしれない。わたしの上司の場合は、職質から発覚した。売人はマークされていたのかもしれないが、あらかじめ家の場所が割れていたとは考えにくいし、一般人に対してそこまで大掛かりの網を張ることもないだろう。もちろん高知東生の家にも家宅捜索の手は伸びるだろう。そこでは何が見つかるのか。何が見つからないのか。それも気になる。もしも高島礼子がその事実を知らないのだとしたら、高知東生は家にはそういうものを徹底的に持ち込んでいないはずなので、何も見つかることはないだろう。だとすると、4gをまるまる所持していたことも、ある程度納得はできる。常にリスクは一箇所に留めておいたのだ。上司がそうであったように、売人との接触は一番のリスクなので、買えるときに買えるだけ買っておくのがリスクマネジメントになる。そしてそれは常に、高知東生が把握できる場所に一箇所にまとめられていたのだ。4gなんて手のひらに軽く収まるのだから、持ち運びに難があるわけではない。もしくは知人女性のほうが保管を担当していたのかもしれない。そういえば清原和博も、セカンドバックの中にアレをいつも忍ばせていたそうで、それはいつでもどこでもできるから的な意味合いが強かったように見受けられたが、そういうこともあるのかもしれない。

 

推測2,売人からアレを買った直後だった

 

そうはいっても、やはり4gの所持は危険だ。ホテルまではもちろんだが、ホテルから帰る時も持っていないければならないのだから。肌身離さず持っておくというのは、ある意味一番安全かもしれないが、精神はかなり消耗するだろう。疑心暗鬼にもなるだろう。常にそんな状態でいたとは思えない。それこそ常に覚せい剤をやって気を紛らわしていなければいけなくなる。外で持ち歩く時間は、少なければ少ないほどいい。売人からアレを受け取ったその足で、愛人と会うのが一番効率が良い。そして事が終えた後に家に持ち帰れば、持ち運びの機会は一番少なくて済むのだから。これも納得できる推測だが、そうだとするとまた別の問題が出てくる。どうしてラブホテルにいるところに踏み込んだのか、ということだ。密会するラブホテルまで捜査の手が伸びていたのだから、尾行はそれより前から行われていたと考えるのが自然だ。まさかラブホテルで待ち伏せしていたわけでもあるまい。当然、女の方も調べがついていただろう。仮に高知東生が、売人からアレを受け取ったその足で、女性のもとへ、ホテルへ向かったのだとすると、売人はどうしたんだ、という話になってしまう。これまた当たり前の話だが、逮捕されるべきなのは末端の常習者ではない。逮捕されるべきなのは売人であり、その上にいる組織なのだ。今回の件もそうだが、この手の事件において、逮捕されるのも大きく報道されるのも、いつも末端の常習者であって、それより上の立場にいるものたちが逮捕されたという話は、なかなかお目にかかれない。まさか裏で変な力学でも働いているんじゃないかと邪推したくなるほど、そういう話はなかなか無い。もちろん報道されると捜査の大きな足かせになるので、情報規制がされているのかもしれない。しかし、高知東生を逮捕しておいて、こんなに大きな報道を招いておいて、売人を泳がせたということはないだろう。

 

土砂降りの雨の中、色々と妄想してはみたものの、わたしには知らないことが多すぎるので、これという推測を導くことはできなかった。そしてそれが報道されることもないだろう。部外者にとって 、真相はいつも藪の中なのだ。

 

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