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ペーパームーン

良かった話
ザッピングしていたらペーパームーンという映画をやっていた。ったく、どこのたい焼き親子だよ?なんてひとりごちながら見ていたら、いつの間にか本腰が入っていた。それは決して子役のテータムオニールが、どこの家なき子なの?ってくらい天使だったからではない。

ひょんなことからともに旅をすることになった詐欺師と、詐欺師の子供とおぼしき孤児の女児との事情。いい歳したやさぐれ男子と幼女の旅。この関係がすでにたまらんでした。思えばこういう構図の物語はたくさんあるね。どちらも非常に象徴的で、いつの時代も変わらんなあと思った次第。解説を見ると、詐欺師と女児は実の親子というじゃないですか。まあ、映画通には周知のことなんだろうけど、それを知った上で見ていると、ちょっとした会話にもまた違った味わいが広がる。知らなくても楽しめるけど、知っているともっと楽しめる。たとえば、聖書を売り歩くくだりとか、途中で女児がテレビのアメリカン小噺を楽しそうに聞いているくだりとか、当時の社会情勢とか、禁酒法の時代だったのかな。やっぱり映画ひとつ見るのにも教養ってあるに越したことはないんだな、と。まあ知らないとダメってことはないと思いますが。あと、女児がタバコをふかすシーンがよく出てくるわけです。これは女児の心情やらなんやらを描いた演出なんでしょうけど、今はこういうのやると大炎上して虐待だ不謹慎だと批判の嵐だろうな、と。物語の必然性の面から考えると、ナンセンス極まる批判としか思えない。それはそれとして、たとえばこのケチな詐欺師は現代風だとどういう人になるのかっていうのは想像に任せるとして、自分の子供かもしれない女児と旅をして、こんなハートウォーミングな映画にゃあならんやろな、と思うわけで。もしかしたら、家出少女を家に招いてチョメチョメして逮捕された人にも落涙を禁じえない物語があったりするのかもしれないよなってんなこたあないか。どうせマルモのおきてみたいな感じになるんだろうと思うとため息が出た。まあ見てないんだけど、ああいうんじゃないだよなあ。リアルっぽいけど全然リアルじゃないっていう。そういうリアルっぽいものをいかにリアルに見せるかっていうのがあまりにも目につきすぎて、いい加減飽きた。そういうのは仮想空間ですら十分すぎるほど蔓延してるのに未だ衰えをしらないみたいな。事実は小説より奇なり、なんていうけど、その事実から疑わないといけなくなったみたいな、哀しさ。

とにかく、子役のテータムオニールがめっちゃかわいい映画でした。

ペーパー・ムーン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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