昔の作品を知ることで、新しい作品がより深みを増す。温故知新とは、少し違う感覚だ。もちろん、音楽に限った話ではなく、全てに言えることだ。
古いものから、ある部分を取り出して、新しいものを創造する。さまざまな作品は、こうして創られてきたし、これからも創られていくのだろう。たくさんの作品や経験から、何が、どのように取り出され、どのように加工されるのか。無数の枝に別れていく表現の形を、全て知ることはできない。
ある作品に心を打たれたとして、その出会い方は、どの道をたどってきたのかは、人によってさまざまだ。だからこそ、似たような系譜をたどってきた人と出会うと、心が弾む。その作品から、どのように系譜をたどっていくのかも、人それぞれ。
枝は無限に別れ、伸びていく。ただ消費するだけでは、もったいない。