私の人生を狂わせた苦しみ

一年に何回か、地獄の苦しみに悩まされる。

足の親指の巻き爪。

私の場合は、深爪が、事態をより深刻にしていた。もう何をしても痛い。
痛みの描写をしようとすると、グロくなりすぎるので簡単に説明すると、足の指の爪の端が、針のように尖って、肉に食い込み続けている。肉の中に、伸び続ける針が埋まっているような感じだ。

バビルサというキバを持った動物がいる。このキバは、上顎の歯が上に伸びて肉を突き破ったものだが、このキバは三日月のように伸びていき、最後には頭に刺さって死んでしまうという。つまり、そういうこと。

何が辛いって、この苦しみをわかってくれる人がいないってこと。巻き爪のせいで走れなくて中学のバスケの部の女顧問に「やる気がない」と体育館の隅から隅まで対角線上に殴る蹴るのコンボを喰らったのはいい思い出。

「いや、巻き爪なんで!巻き爪なんで!すいません!すいません!」

その日を最後に部活は辞めた。巻き爪うんぬんよりも、全く理解されなかったことが悲しかったし、腹が立った。

リアルで巻き爪に苦しんでいる人を、一人しか知らない。それもたまたま知った。巻き爪に悩んでいます、なんて人にする話じゃないよね。言ったところで何も解決しないし。共感してもらえるかどうか不安になるし、笑ってすませられると絶望する。本当の悩みっていうのは、人に話せないものだ。

ここ数日、私はまさに断腸の思いで巻き爪の切除に取り組み、そしてやり遂げた。長い長い巻き爪人生に終止符を打つかと思えるほどのクリティカルヒット。間違いなく、今年一番の頑張りだった。思いっきり踏みこめる。この解放感は何にも代えがたい。思わず目から熱いものがにじみ、天を仰いだほどだ。

世の中には、巻き爪の矯正のための医院があるらしい。
ちょっと値が張るが、巻き爪に苦しむ人は、探してみてほしい。

矯正するための器具もあるようだ。

とにかく、巻き爪に苦しむ人が一人でも救われますように。