客がいる場所でおばさんをいじめるおっさん

タバコを買いにコンビニへ行った。自動ドアをくぐって一直線に入り口側のーレジへ向かう。すると、奥のもう一つのレジにいる何もやってないおっさんが険しい顔して「レジー、レジー」と声をあげた。調理場にいるのかしら、とレジから覗いて見たが、人の気配はない。「レジー!レジー!」おっさんの声はどんどんでかくなっていく。(お前がやれや)と思いながらおっさんに顔を向けると、その間をおばさんが「すいませーん」と言いながら横切ってレジについた。品出しをやっていたおばさんだった。

おばさんは申し訳なさそうな顔で伏し目がちにレジを打つ。おっさんはそれを刺すような目で見ていた。40台半ばほどに見えるおっさんが、もうちょい年上っぽいおばさんをいじめている。昼間っからクソを見た。ふとオーナーなのかと思ったが、この店のオーナーは別の人のはずだ。前に見た。その貫禄と立ち居振る舞いから一発で分かった。オーナーはとってもいい接客をする人だった。接客といっても物腰柔らかくレジを打ち、きちんと「いらっしゃいませ」「すいません」「ありがとうございました」を言うくらいのものだが。そんなこと自体、自発的にやってる人は少ないんだけど。オーナーが変わったのだろうか?高速インターの出入り口という田舎の一等地にあるコンビニでそれは考えにくい。息子にしては年が近い。バイトなら合点はいく。ていうかコンビニにタバコ買いに行ったほんの一分でこのムカつき。

ここで私が「いい年してなにやってんだよアホお前がレジをやれ」とおっさんにオラついたところでなにも解決しない。そんなことでは自己満足に浸れない。差し出がましいにもほどがある。そのしわ寄せはおばさんにいくにきまってる。私もアレな客として見られる。そんなのやだ。もしかしたら店を出た後に「さっきはありがとうございました!」なんておばさんが追いかけてくる、なんてことはアリエナイし、あっても困る。つまり、既に詰んでいる。

そんなバカな。なんでコンビニ行くのにいちいち「ムカつくかもしれない可能性」について考えにゃならんのだ。こうして家に帰っても頭をよぎるとか時間の無駄にもほどがある。おっさんはさっさとクビになって路頭に迷ってのたれ死ねばいいのに。そうはいっても、なんだかんだいって私はそこへ行くだろう。近いから。変わることといえば、私がこっそりとおばさんを応援し、おっさんに呪いをかけるようになるだけ。つまり何も変わらない。ほんと嫌になる。