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地下鉄のホームで電車を待つあなたに贈るどーでもいい話

雑記
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あと数分ですね。今何をしていますか?これを読んでいるのだからスマホをいじっていますよね。失礼。ところで、あなたが今、スマホでネットに接続したり電話したりできるのは、基地局があるからなんです。あなたの通信は、基地局が中継することで繋がっているんです。あなたのまわりのどこかに必ず基地局があります。

上を見てください。正方形のパネルが並べられていますね。あの裏っ側には、ケーブルがね、ぶっといのやらほっそいのやらが無数に通っていて、基地局はそこに詰め込まれていたりするんです。最近のものは目に見える場所に設置されているかもしれません。その基地局が、あなたの通信を支えています。

基地局っていうのは機械ですから、置きっ放しでは故障したり劣化してしまいます。ですので、定期的にメンテナンスをしています。でもホームで工事をしてるところなんて誰も見たことはないはずです。たくさんの人が行き来するわけですから、万が一のことを考えると、営業時間中に工事はできないんです。

それは最終電車が発車して誰もいなくなった深夜に、ひっそりと行われます。書類を持った元請けの責任者と腰道具とヘルメットを装着した下請けの作業員2名が、夜中に地下鉄の入り口の前で待ち合わせて、工具や部材や脚立を持って、あなたが来た道を降りていくんです。構内は、ほとんどの電源が落とされているため、営業中のように明るくありません。エスカレーターも当然止まっています。

やっとの思いでホームに着いて、ようやく作業が行われるんですがね、実は基地局の場所がわかんないんですよね。地下鉄といっても駅も基地局も数え切れないほどあるわけで、頻繁に行くわけでもなければ、同じ業者や同じ人が行くわけではないんです。そんなもんです。

「この辺じゃなかったかな〜」なんてざっくりとした場所は分かるんですがね、いざ天板を外してみるとケーブルがびっしりと走っているんですね。それをかきわけて探すんです。通信を安定させるためにケーブルはぶっとくて硬いんです。ほんの少し動かすだけでも一苦労なんです。

そうやってかきわけた先にあった機械が目的のもの違う、なんてことはよくあることで、一発で見つけられるほうが珍しいことなんですね。場所が変わっていることや、配線が変わっていることもよくあることです。

で、「あー手が届かない」「もっと長い脚立持ってきて」「やっぱりアレがいるわ」なんてことになるんです。そうすると、後輩は取りに戻らないといけないわけです。「はい!」何て言いながらも心の中では(最初から長いのにしとけよ)なんて舌打ちをして、脚立を担いで来た道を戻っていくんです。小走りで。慣れない現場だと、軽く迷子になったりもします。

んで、外に出るとですね、さらに歩くんです。駐車場までいかなきゃいけませんからね。入り口のすぐそばに車を止めておけないわけです。違法駐車の罰金って、ほぼ日当分に値するのね。工事に携わる人にとって駐車場って、なかなかいい場所になかったりするんですよ。いい場所があっても、空いてないことが多いんです。

そんでもって駐車場に行って、脚立をしまって、長い脚立を取り出して、タバコを思いっきり一口だけ吸って、水を一気飲みして、もう一度長い長い階段を汗かきながら急いで下りていくんです。遅くなると怒られますからね。そんなことをしている間の地下鉄ホームでは、もう一人の作業員と責任者が手持ち無沙汰から生まれた気まずい空気に包まれながら後輩の帰りを待っています。

あなたがスマホで暇を潰せるのも、そんな人たちの支えあってのことなんですね。どーでもいいですか。