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駆け出しの詐欺師に贈る 詐欺の心得

詐欺について学ぶ
人から金を騙し取る場合の賢いやり方は「相手にも不正に荷担させる」ことだ。
これによってカモにいくらかの利益を手にさせることだ。

カモは喜び、丁寧にお礼をすることだろう。例えそれがカモから奪った財布の中から払われたものであったとしても、カモがそれに気づくことはない。カモとはそういう生き物だ。

これによってカモはあなたとの距離がグッと近づいたように感じる。なんなら自分が腕のいい詐欺師になったような錯覚すら覚える。こうなると、あなたがなにかしなくてもカモの方から勝手に金や新たなカモを運んできてくれる。カモがネギを背負ってやってくるわけだ。

しかしそれを手放しで喜ぶことはできない。カモは馬鹿だから、どっかでかならず馬脚を現す。
犯罪がバレる時っていうのは、たいてい調子に乗った馬鹿が大きな声でところ構わず自慢しだした時だ。そんな馬鹿と一緒に捕まってはたまらない。肝心な情報や場所には関わらせないとか、上下関係や侍従関係をはっきりさせておく必要がある。

もう一つの効能は、不正に関わることで後に引くことができなくなるということだ。途中で怪しいと思っても、そこで損切りをすることはできない。なんとか元だけでも取り返そうとする。元が取り返せたとしてもそこで止めることはない。そこからが始まりだと思うことだろう。それを告発することもできない。自分が不正に関わってしまっているからだ。なんも利益も得ていないのに罰せられることなど、いったい誰が受け入れられようか。

カモに近づくためには、カモになればいい。カモと同じ服を着て、カモと同じ考えを持ち、カモと同じ行動をし、カモと同じ悩みを持つ。そうすればカモは警戒を解くだろう。主婦なら主婦を、学生なら学生を、鬱なら鬱を、ニートならニートを演じれば良い。なりきるための情報は、ニュースやブログから簡単に得ることができる。これらのカモは、金を持っているわけではないが、その分騙されることには疎い。駆け出しのあなたが経験値を得るにはもってこいだ。

サクラを用いることを忘れてはならない。サクラを使うことにかかる費用を惜しんではいけない。サクラは詐欺という舞台に絶対的に必要な背景であり、脇役であり、演出であり、広告である。彼らの働きがあってはじめて、罠が罠として機能する。誰も通らない道に罠を仕掛けても意味がない。人通りのある場所に罠を仕掛けるか、罠を仕掛けた場所に人通りを作るか。いずれにしてもそこまでの導線に、サクラを効果的に配置する必要がある。

一度人通りができてしまえば、後は粛々とカモを料理すればいい。たまには同業者も訪れるだろう。そういう時は情報を交換しあうのもいいだろう。互いに助け合っていれば、もしもの時に思いもよらぬ力になることもある。おいしい話にありつけるかもしれない。仲良くしておいて損はない。