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誰にも言えない方の悩みについて

雑記
誰にだって、悩みってあると思うんですよ。
で、悩みっていうのは、相談できるものとできないものと二種類あると思うんです。

相談できない悩みっていうのは、例えば、これは共感されないだろうなって思うような下らない事だったり情けない事だったり、誰に言っても返ってくる解決策が自分の考えているものと変わるわけない事だったり。それができないから、それがぅまくいかないからこその悩みなんだけど「そんなのこうするしかないじゃん」とか言われると「うるせー」ってなるわけじゃないですか。「あーわかるわー」って言われるとなんとなく救われた気になるんだけど、だからって悩みが解決するわけじゃないんですよね。ていうか共感されたって何の役にも立たないわけで。わざわざ自分の弱み見せるのもはばかりがあるし。試しにちょっと私の悩みを例に挙げてみます。

私の父は夜な夜なのしのしとトイレに立つんですがね、2時とか3時とか4時とか5時に。
んで、ドアも開けっぱなしでじょぼぼぼぼーーーなんつってえらい音たててしょんべんするわけですよ。「ウーぃ」なんつって。素面で。汚い話なんですがね。ちょっと想像してもらいたいんですよ。
毎日毎日丑三つ時に親父のしょんべんの音で起こされる生活を。これが続くと寝つけなくなるんですよ。気になって気になって。いつしかしょんべんの音の幻聴が聞こえるようになるんです。わかりますか。もう発狂寸前なわけですよ。

そんなの普通に「いや、言えばいーじゃん」って思いますよね。注意すればいいじゃないかと。
ちょっと想像してみて下さい。親に「夜中のしょんべんの音がうるさくて眠れません」なんてどのツラ下げて言えばいいんですか?情けないったらないですよ。こんなの思春期の女性だったら絶対言えませんよ。思春期じゃなくたって言えないですよ。よく娘に煙たがられる父、汚がられる父、っていう描写がでてきます。それは必ず父が可哀相な風に見られますけど、もしかしたら自分が気にしていないところでこういったピス・ハラスメントのような相手がとても嫌がる行為、注意しづらい迷惑行為に及んでいる可能性が大なんじゃないか、そう思うわけです。

ていうかね、注意したんですよ。三つ指ついて「どうか何卒」って。でもね、聞き入れてくれないんですよ。「その言い方はなんだ!」なんて怒りだす始末です。次の日にはじょぼぼぼーーーつってるわけですよ。デリカシーの無い行動をする人っていうのは、基本的に人に注意されることを極端に嫌うわけです。相手のことなんか考えてないわけだから当然なんですがね。どうせ聞いてくれないんだろうな、なんて思うと「昨日も申し上げましたが」なんて言えないじゃないですか。事が事ですし。

世に起きている家庭内暴力であったり、殺人事件であったりっていうのは、もしかしたらこういった自分では意識していないハラスメントを繰り返しているところに根本的な原因があるのではないか?って思うんですよ。例えばこれで私が親父をぶん殴ったとして、警察のご厄介になるとするじゃないですか。で、警察に尋問されたとして、私が「親父のしょうべんの音が……」なんて正直に喋ると思いますか?
「ここで親父がしょうべんを……」なんて便器を指差しながら現場検証をするくらいなら死を選ぶわけじゃないですか。そんなの楽しいトピックとして新聞や雑誌に彩りを添えるだけじゃないですか。

何が言いたいかって、本当のところ、っていうのはそれくらい恥ずかしくて情けなくてやむにやまれないものなんだっていうことなんです。道行人々は、笑顔の奥にそういった悩みをいくつも抱えているんです。多分。

ちなみに親父の件は、もう一度お願いしました。私の熱意が伝わったのか「わかった」とうつむいて小さくつぶやきました。なんだか親父がとても小さく見えました。それから親父は座りしょんべんをするようになったのですが、わたしのトラウマは、未だ癒えることはありません。