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私が泣かした先生

雑記

今週のお題「思い出の先生」

私が子供の頃は、いたずらしたり言うことを聞かなかったりするとビンタをされたりゲンコツ喰らったりしていました。先生に恐怖しながらも面倒くささや好奇心に勝てず、何度も何度も叱られては拗ね、ゲンコツを喰らっては涙目になっていたものです。そんな中でも一人、ある先生の全く違う対応が強く記憶に残っています。

それは小学校の時の、女性の先生でした。眼鏡のおばさん。私は、入学式のスピーチの最中に前の生徒ととっくみあいの喧嘩を始めてしまうくらいのハツラツさで、よく問題を起こしては親にも教師にも怒鳴られ、しばかれていました。たいていは、私の我儘が原因でした。

その時も、いつものようになにか問題を起こしてしまった時でした。その先生は膝をつき私の目の前に顔を持ってきて、私の両肩を強くゆすりながら言いました。

「どうしてこんなことするの?」「私ちゃんはほんとは優しいのになんで?」

先生は目を真っ赤にして号泣していました。涙で流れた化粧の匂いの強さに顔を背けようとすると、私をぐっと抱き寄せ、おいおいと泣き続けるのです。大人がマジ泣きしている顔を見たのは、その時が初めてでした。私の肩を濡らした涙の湿り気とその体の温もりから、私に対する信用と期待、そして悲しみが痛いほど伝わってきました。たくさんの生徒が見ている中、私を抱きしめて声をあげて泣き続ける先生。もらい泣きしそうになっている私は、これまでに経験したことのない恥ずかしさに動揺しました。また、罪の意識が芽生えるのを感じました。

「ごめんなさい」

先生は、泣き濡れた顔をくしゃくしゃにしてもう一度私を強く抱きしめました。


これで私が優等生になっていたら良かったのですが、そんないい話になるわけもなく。しばらくすると元の悪ガキに戻ってしまって現在に至るのですが、この先生のことは忘れることができません。


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