詐欺師入門を読んで考える〔3〕おとりについて

詐欺は様々な役割分担によって成り立っています。
役割は大きく三つに分けられます。おとり、インサイドマン、フィクサーです。
おとりについてもう少し詳しくみていきます。

おとりは詐欺の花形

私たち一般庶民が職業として担う、一番重要な役割は何でしょうか?
私は「営業」であると考えます。なぜなら商品の売れ行きは営業の腕に大きく左右されるからです。おとりは詐欺における営業の役割を果たします。
どんな商品であろうと、まずはそれを知ってもらわなければ何も始まりません。もちろん誰でもいいわけではありません。営業をかけるカモを見極めることが詐欺のスタート地点となります。ここからカモをインサイドマンに引き合わせ、詐欺のからくりが動き出すのですが、おとりは基本的にその一部始終をカモと過ごすことになります。
カモの味方として、詐欺を見破られないように様々な疑問を解決してやったり、逃げ出さないように要所で野心をくすぐってやったり、時にはカモをなだめてやることさえあります。おとりの仕事は多岐に渡り、また臨機応変なものです。

詐欺の世界の最前線で

おとりは日々、カモを見つけようと旅をしています。カモが見つかりそうな様々な場所に出入りするために一般常識やマナーを身につけています。目を光らせています。
獲物を見つけると巧みな手口で近づいてきます。そのため身なりも整っており、あるゆる話題に対応できる知識とユーモアをもっています。
おとりは一年に四人のカモを捕まえることができれば上出来だと書かれています。
このことは、おとりがいかに難しいものかを物語っています。
しかし、ここで言う詐欺はビッグ・コンと言われる大掛かりな詐欺のことです。
巨額を騙し取られるような太ったカモはそうそうお目にかかれないということでしょう。当然ですね。太ったカモを探す道中で、おとりはショート・コン(小規模詐欺)を働いたり、サクラとしてビッグ・コンに参加したりして収入を得ます。
おとりは最前線で忙しなく飛び回ります。警察に逮捕されたり、ゆすられたり、カモに詐欺がばれてしまったり、昔騙したカモに見つかってしまうかもしれません。
様々な危険と隣り合わせで気が休まることはありません。ビッグ・コンで得た利益の45%がおとりの取り分になると言われています。
このことからおとりの仕事がいかに危険なものかがわかります。

おとりが捕まえたカモはもれなくインサイドマンに引き渡されることになるのですが、次回はインサイドマンの役割についてみていきます。

詐欺師入門―騙しの天才たち その華麗なる手口

参考文献「詐欺師入門」