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「星を継ぐもの」を読みながら物語の分業制について想いを馳せる

SF小説「星を継ぐもの」が面白い。ページをめくる手が止まらない。 何が面白いのかってその前に、最初に「星を継ぐもの」を読み始めた私は、数十ページで「ようわからんなあ」と思いしばらく寝かせることにした。伊藤計劃の「虐殺器官」を読んだ後に読むこと…

桜を見て何を思う

緩い坂道の途中にある我が家のそばには、小学生用のサッカーグラウンドほどの空き地がある。そこは長年放置されていて、子供の丈くらいまで伸びた雑草で覆われている。 先日、土地の所有者と思しき老人が空き地を一掃した。現れたのは、チラホラ花をつけ始め…

語りたがる人を信用してはいけない

久しぶりに読み進めるのが心地良いブログを見つけた。 書いてあることはなんてことない日常なのだが、文章がうまい。うまいというのは、ギャグや洒落や伏線やオチのことではなく、読みやすく、わかりやすい、ということだ。 いつも読んでいるブログやはてな…

西野亮廣とそのファンに抱く生理的嫌悪感について

西野亮廣が炎上してるのを久しぶりに見た。 いまさら詳細を説明するまでもないけど、絵本をタダにするとかなんとかで燃えてた。タダになった絵本を見に行った。読んでる途中、踏みたくもない広告を二度も踏んでしまった。登場人物全てが西野亮廣に見えるよう…

違法アップロードは本当に悪なのか

はてなブックマークを使うようになって2年くらいになる。始めて少しした頃、相互ブックマーク連盟による超つまらない人たちの超つまらないブログがやたら目につくようになった。最初はそれが相互ブックマーク連盟によるものだと知らなかったのだが、ブックマ…

勝手に思い込んで知ってるつもりになっていること

こないだ捕まえたこどものヤモリを軽めに監禁している。その手足を観察すると、人間のような五本の指を持っており、指の先端は少しふくらんでいた。わたしは勝手に、ヤモリは指の腹から粘性の強い体液を出して壁に張り付いているのだろうと思っていたが、ど…

のろい

京極夏彦「姑獲鳥の夏」読了。 寝る間を惜しんで本を読むなんてどれくらいぶりだろう。京極夏彦を読まずに生きてきたことがとても恥ずかしく、もったいないことをしたと思った。もっと多感なころに出会いたかった。 この世に起こる悲劇は、すべて呪いで説明…

村上春樹「東京奇譚集」感想(一応)

村上春樹の「東京奇譚集」の最初の話を今読み終わったところ。 信じてもらえないような不思議な経験というのは誰にでもあるだろう。なぜならわたしがそうだからだ。しかし、わたしが期待しているほどそういう話には出会えていないのが現実だ。それに、じゃあ…

時代性を排した表現

近くにある唯一の大手中古チェーン店が在庫一掃セールをやっており、本が全品一冊数十円で売っていた。カードゲームコーナーで盛り上がる大学生たちを尻目に30冊ほど購入。もう本を取り扱わないのだとすると、近くに古本屋はなくなってしまう。非常にさみし…

家系が途絶えるとき

「これで、わたしのとこの家系は途絶えちゃったのね」 祖母の通夜の用意に向かう車中で母がぽつりと漏らした一言は、わたしを大きく揺さぶった。 母は控えめで、楽観的で、自分の利益を主張するような人ではない。だからこのような増田を読んでも、特に共感…

死にゆく人にできること

いつだったか、日本最大の医療グループ徳洲会の創設者であり理事長、衆議院議員まで務めた徳田虎雄なる人物がテレビニュースに出てメッセージを発したときの、その仰々しさと、普段では考えられないような破格の扱いと、その様相の痛ましさをありありと覚え…

彼岸

暑さ寒さも彼岸まで、などと申します。陽射しは明るく暖かく、吹く風はさわやかで心地よく。住まいから見える山々が、ぽつぽつと桜色に染まっております。春爛漫でございます。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。彼岸というのは仏教用語でございまして、…

1パーセントになれなかった人たちは

専門学校の入学式で、学長は「この世界でやっていける人たちは、この中の1パーセントです」と言い切った。そして、その通りになった。かどうかはわからないが、いくつかの同級生たちの顛末に触れると、そう考えるにふさわしいと思う。わたしはもちろん99パー…

図書館の本をもらってきた

いつか図書館に行ったとき、隣接しているコミュニティスペースで、古くなったり破損した図書館の本を処分するちいさな催しが開かれていた。ガラスの引き戸を開けて中に入ると、そこは校外の参加者を禁じた文化祭の一室のようだった。高齢者や主婦と思しき人…

あの日は晴れていただろうか

将棋を指した。最後の最後で逃げ間違って詰まされた。(こう逃げれば一手早いだろう)と思ったから踏み込んだのにもかかわらず(こっちに逃げたらどうなるのか)なんて疑問が湧き、(いけるかもしれない)なんて思うようになって、実際にその局面になったとき、当…

レジスター

家の脇の細い坂道を少し登ると、いとこだかはとこだかの家がある。家主は都会の体育大を出ており、スラリと背が高く、引き締まった身体をしている。赤塚不二夫からエロと酒を半分にしたような顔立ちで、陰ではチンパンとあだなされていた。チンパンの嫁はと…

ふんわりと

とあるブログで文体診断ロゴーンのことが書いてあったので、久しぶりにやってみた。己の文章が誰に似たものかを診断してくれるというものだ。で、いくつかの文章を打ち込んだところ、江戸川乱歩と海野十三と親和性があるらしい。指数は80中盤ほど。以前の全…

必要な時に必要なものを必要なだけ取り出すことのできる能力

「ネットでは印象悪かったけど会ってみたらいい人だった」とか「最初のあまり好きじゃなかったけど、アノことがあってから、彼のことが気になるようになった」とか「ヤンキーが更生したことがやたら持ち上げられる件」とか。「実は」な話。こういう、最初に…